財団の使命 反射性交感神経性ジストロフィー(RSD) / Complex Regional Pain Syndrome (CRPS) この慢性疼痛症候群の殆どは、たとえ程度が軽くても、傷害をきっかけとして発症します。発症初期の臨床症状としては、激しい灼熱痛や、交感神経系の機能不全を示唆するような皮膚の変化などが見られます。疾患が進むにつれ、重度の自発痛に四肢の皮膚、皮下組織及び骨などの消耗性(萎縮性)変化が伴う場合もあ ります。 RSD患者さんの訴える痛みが、元々の傷害の程度を超えることがよくあ ります。特に治療することなく放置しておくと、病徴や症状は時間とともに悪化し、結果として不可逆的な機能不全を招いたり、他の手足や顔面にまで病気が広がっていくことになります。 この病気は軽症ですむ場合もありますが、悲劇的な結果を招くこともあ ります。ひどい場合にはRSD/CRPSから四肢麻痺にまで進展してしまいます。しかし四肢すべてが麻痺してしまうよりもひどいのは、患者さんが経験する拷問のような痛みです。 患者さんの中には、患部に軽く触れただけでも激痛が走り、服を着ることさえできない人たちがいます。また、痛みのためでなくこの病気の合併症により、四肢の切断を余儀なくされた患者さんもいます。この悲惨な病気は世界中で数百万人の人々の間に広がり、小児患者さんの報告数は事態の急を告げています。 まだ、治療法がないのです。 残念ながら、反射性交感神経性ジストロフィーの治療法は未だ見つかってはおらず、それが国際RSD/CRPS研究財団が設立されたきっかけです。 この財団での我々の使命は、世界各地の研究機関を繋ぐ世界的な研究ネットワークを築き上げ、現在進められているRSD研究の最新情報から成るリアルタイムのデータベースを作ることにあ ります。 さらに本財団は、この悲惨な疾患の治療に希望を灯すことができる臨床研究を、それがどこの国のものであ っても支援するための基金を立ち上げていきます。 また、本財団の国際的な学術顧問委員会は、各国の政府に対し、助言を行います。例えば本委員会は最近米国政府の顧問を務め、社会保障局を介したRSD/CRPS含む高度傷害保険請求の判定を統括する連邦規則の考案に携わりました。 | |